『赤光』初版「七月二十三日」⑤ No.00025
鳳仙花かたまりて散るひるさがりつくづくとわれ帰りけるかも 『赤光』初版「七月二十三日」
『赤光』初版「大正二年(七月迄)」「七月二十三日」の五首中五首目。
鳳仙花は、夏に葉腋に不整斉花が二~三個ずつ横向きに咲く。そのため「かたまりて散る」と表現できる。
昼さがり、作品主体はと言えば、帰路にある。休み明けの仕事からの帰りだろう。「つくづくと」は、「しみじみと」「しんみりと」という意味で思いにふけるさま。
一連三首目を見返したとき、帰路に就く作品主体の思いは担当患者の死にあると想像できる。「けるかも」という詠嘆で足どりの重さも想像される。
https://twitter.com/takahashi_ry5?s=09

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