『赤光』初版「麦奴」① No.00026
しみじみと汗ふきにけり監獄のあかき煉瓦にさみだれは降り 『赤光』初版「麦奴」
『赤光』初版「大正二年(七月迄)」「麦奴」の十六首中一首目。十六首目の後に、(七月作)とある。
「しみじみ」は心に深く感じいるさまを表わす語。「しんみり」と同義。二句切れであるが、第一、二句は作品主体の感情・動作である。
「監獄のあかき煉瓦」という力強く印象深い物体が登場する。「さみだれ」は梅雨の時期に降る雨ことである。煉瓦が雨に濡れていく。「降り」と連用形で終わっていることで、雨がさらに続いたことが想像される。
四首目までは詞書に言う「殺人未遂被告」は出てこない。掲出歌を含め、作品主体の感情・動作と、情景を詠んでいる。
https://twitter.com/takahashi_ry5?s=09

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