『赤光』初版「麦奴」③No.00028
飯かしぐ煙ならむと鉛筆の秀を研ぎて居て煙を見るも 『赤光』初版「麦奴」
『赤光』初版「大正二年(七月迄)」「麦奴」の十六首中三首目。
「飯」とは飯、ごはんのこと。「かしぐ」は「かしく」(飯をたく)の近世以後の形。ご飯を炊いて出ている竈の煙であろと想像している。
「秀」はぬきんでているもののことで、鉛筆の尖端ということだろう。「研ぐ」は刃物を砥石や皮でこすってよく切れるようにすることだが、ここでは刃物などで鉛筆を削ってよく書けるようにするということだろう。句末の「も」は、上代語の終助詞で詠嘆の意味。「煙を見ていることよ」となる。
二首目に「午時ちか」いとあるから、昼ごはんの支度であろう。また、雨空ということで煙は不安定な大気に高々と上っていることが想像できる。
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