『赤光』初版「みなづき嵐」Ⅰ No.00043

どんよりと空は曇りて居をりたれば二たび空を見ざりけるかも    『赤光』初版「みなづき嵐」

『赤光』初版「大正二年(七月迄)」「みなづき嵐」の十四首中一首目。十四首目の後に「(六月作)」とある。

「どんよりと空は曇っているので」という順接の確定条件の上句は、それを見上げる主体の陰鬱心情を陰鬱とさせることをも示すものである。

そのため、「再び見ないのだよ」という詠嘆(「けるかも」)となる。

ここではまだ標題にある「嵐」は感じられない。ただ視覚情報と主体心情と行動とが詠まれているだけである。

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