『赤光』初版「大正二年(七月迄)」「麦奴」の十六首中六首目。
監房から呼ばれて、たった今作品主体のもとに来た囚人。一連の後の詞書の「殺人未遂被告某」が「精神状態鑑定」の対象者として来たのだろう。
作品主体の前にいる。座っているのだろう。表情はというと、やや笑っている。「かも」は、二首目同様、詠嘆。
先の五首目から、八首目まで、この囚人について詠んでいる。掲出歌は笑うという表情であるから、目と口(歯をも含む)を中心にイメージが提示される。しかし、どんな目の形で、どんな歯並びかなどは読者の想像に任されている。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません